血まみれのキューピー人形軍団に追いかけられた。
単に、昨日見た夢。
目が覚めるとそれはどこかわからない街の道ばただった。
黒人の男が英語で話しかけてきて、アメリカはどこだ、と聞いた。
私はあっちだと答え、ともにそちらへ向かった。
行ってみるとアメリカがあるべき場所になく、どうしても見つからない。
仕方がないからその辺を歩いていると、いつの間にか薄もやのかかる線路の上を歩いていた。
黒人の男は知らぬ間にいなくなり、代わりに白人の少年か少女(どちらにも見える)になっていた。
そのまま、草の所々に生える線路を歩いていくと、そこがフランスであることにどういうわけか気がついた。
やがて線路も途絶え、車道に出ると、古い駄菓子屋があったが、フランスだったので、道行く人はフランス語を話していた。
道を進むとガラスのショーウィンドウがやけに目に付く店があり、入ってみると、壁が赤く塗られたモダンな雰囲気だ。
壁はガラス張りのショーブロックのようなものが取り付けられ、その中にはキューピー人形が飾られている。
それらは目を引いたが、そのまま無視して立ち去ると、何かの気配を感じた。後ろを振り向くと、キューピー人形たちがついてきている。
不穏なものを感じて足を速めると、人形たちも足を速め、そのうち一体の人形が空中をこちらに向かって突っ込んできた。
頭に向かってきたそれを、危うく肩のところをかすめるようにかわすと、人形はそのままショーウインドウのガラスに激突してぶち破り、血まみれになった。
振り向いて、つけてきている人形たちのほうを見ると、それらの人形も血まみれとなっていた。
驚いて店の中を走って逃げたが、店はなぜか大きく、赤い壁の連なる迷路状になっている。
この時点で、これが夢であることに気がついたので、思いっきり楽しむことにした。
その辺のショーケースをぶちかまし、洋服のかかったハンガーをひき倒し、壁に突進して突き破り、ついには隣の店に出た。逃げている途中に一瞬、フランスのシラク大統領の顔が見えた。
隣の店はブラウンが基調となっていて、前の店よりは落ち着いた感じ。
血まみれキューピー軍団はしつこくつけ回し、空中を飛来してきたりするので、こちらもたまには手ではたき落としたりしながら、店をぐちゃぐちゃにして逃げ回った。
方向感覚と位置感覚を失って、やたらにその辺の壁を突き破って逃げると、いつの間にか細い横穴の中に入り込み、そのままほんの少し進むと、なぜか辺りが線路の上に切り替わっていた。
前を見るとなんとなく見慣れた町並みがあり、はぐれていた少年か少女も後ろにいた。
キューピー軍団も遙か後方にいたが、もう追いつかれることはないだろう。そのままゆっくり帰ることにした。
終わり。
夢の途中で、それが夢であることに気づくと、ドリームセラピーになるといい、仏僧も修行を積むと自在に夢を見られるというが、この夢の場合、何のセラピーになったか、何の悟りにつながったか疑問だ。
ともかく、暴れたのでストレスの解消にはなった。